《メキシコ万歳!》(読み)めきしこばんざい

世界大百科事典(旧版)内の《メキシコ万歳!》の言及

【エイゼンシテイン】より

モンタージュ理論とその実践である映画史上不朽の名作《戦艦ポチョムキン》によって知られるソ連の映画監督,理論家。チャップリンと並んで世界映画史上の〈天才〉,あるいは〈巨人〉といわれ,多彩な才能がレオナルド・ダ・ビンチにもたとえられたが,ソ連の政治状況の中で映画監督としては〈形式主義者〉としてきびしい批判を浴び,実作活動もままならず(実際,名声の割りには作品の数は少なく,25年間に自分の手で完成した作品はわずか6本である),その間に執筆活動に挺身し,理論家として映画芸術の発展に寄与する豊かな遺産を残している。…

【ラテン・アメリカ映画】より

…ラテン・アメリカでつくられる映画,すなわちいわゆる〈ラテン・アメリカ映画〉を代表する国は,メキシコとブラジルとアルゼンチンで,そのほかチリ,コロンビア,ペルー,ベネズエラ,キューバ,ボリビアにも,ささやかながら力強い〈第三世界の映画〉の動きがある。
[メキシコ映画]
 1931年,革命後のメキシコの姿を記録するためにセルゲイ・M.エイゼンシテインを中心とするソビエト映画人グループが約1年間メキシコに滞在,《メキシコ万歳!》(未完)を撮影するが,その刺激のもとにメキシコ映画は出発したといわれる。しかし,ソビエト映画のモンタージュ技術や社会的テーマの影響から脱して,世界的水準に達する〈真のメキシコ映画〉が生まれるのは40年代になってからであり,とくにエミリオ・フェルナンデスEmilio Fernandez(1904‐86)監督,ガブリエル・フィゲロアGabriel Figueroa(1907‐ )撮影による一連の〈芸術性の高いメロドラマ〉,すなわちドロレス・デル・リオ主演の《野性の花》(1943),《マリア・カンデラリア》(1944),《運命の女》(1949),アメリカの小説家ジョン・スタインベックの原作・脚本による《真珠》(1948)などが,カンヌ映画祭など各地の国際映画祭で受賞して注目された。…

※「《メキシコ万歳!》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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