《ヨーロッパの労働者》(読み)よーろっぱのろうどうしゃ

世界大百科事典(旧版)内の《ヨーロッパの労働者》の言及

【ル・プレー】より

…フランスの社会学者,社会改良運動の実践者。鉱山技師としてヨーロッパの民情に親しく接し,実情と遠い社会改革思想を批判して社会調査から出発することを要求し,みずから勤労者の家族について膨大な踏査を行い,数十年をかけて《ヨーロッパの労働者Les ouvriers européens》(1855)を完成させた。研究の方法として家計分析を中心とする数量的な方法と,対象の精緻な記録からなる記述的な方法を用い,ヨーロッパの資本主義化に伴う国民の社会関係の変容(コミュニティの喪失)は,物質的な窮乏のみに着目する社会主義者による政治的な革命によっては救済されず,〈道徳的な経済économie sociale〉の復権によって対処するべきだとし,職場での上司からの温情主義と,家庭での父親―母親の分業を基とする伝統的秩序の回復を説いた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」