《事物の本性について》(読み)じぶつのほんせいについて

世界大百科事典(旧版)内の《事物の本性について》の言及

【詩】より

…ウェルギリウスの《アエネーイス》はトロイアの落城後生き残った英雄が各地をさまよった末,イタリアにローマを建国する物語だが,題材には伝承を取り入れながらも一人の詩人の創作として構想され,書き下ろされたものである。またルクレティウスの《事物の本性について》は韻文による哲学的な宇宙論である。ほかに,情念の詩人として《悲歌》のオウィディウスがいる。…

【ラテン文学】より

…以後のローマの詩は,カトゥルスの影響を抜きにしては考えられない。同じころ,ルクレティウスはエピクロスの教えを叙事詩の形式で情熱的に歌った未完の教訓詩《事物の本性について(自然について)》を残した。超俗の賢者エピクロスの思想は国家や政治に絶望した人々の心をとらえて流行していたから,ルクレティウスもまた時代の子であった。…

※「《事物の本性について》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」