《二世の組帯》(読み)にせのくみおび

世界大百科事典(旧版)内の《二世の組帯》の言及

【小糸佐七物】より

…元禄(1688‐1704)のころ俗謡にうたわれた本町二丁目糸屋の姉妹(1704年刊《落葉集》巻四所収〈糸屋娘踊〉)を原拠とするが,実説に関しては明らかでない。この唄を核として宮古路豊後の浄瑠璃正本《二世の組帯》が享保末か元文ころ(1730‐40)に成立し,姉娘をおふさ,妹娘を小糸,おふさの婿で小糸と深い仲となる相手を左七としている。この情話を最初に歌舞伎化したのが《皐需曾我橘(さつきまつそがのたちばな)》(壕越二三治作,1754年1月江戸市村座)で,曾我の世界にからめて脚色,ついで人形浄瑠璃に《糸桜本町育》(紀上太郎作,1777年3月江戸外記座)と《江戸自慢恋商人》(友三郎・鬼眼作,1777年3月江戸肥前座)が上演され,歌舞伎では前者を脚色した《本町育浮名花聟》が中村座で1777年5月に演じられた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」