《作者を捜す6人の登場人物》(読み)さくしゃをさがすろくにんのとうじょうじんぶつ

世界大百科事典(旧版)内の《作者を捜す6人の登場人物》の言及

【劇中劇】より

…複雑なものになると,一編の劇が複数の劇中劇を含んでいたり,劇中劇の中にさらに劇中劇があったり,劇中劇の稽古や上演とそれにかかわる俳優や観客の生活とが並行して進むというかたちをとったりする。したがって,たとえばピランデロの《作者を捜す6人の登場人物》(1921)のように,劇中劇を含む劇の登場人物は,演出家や俳優など演劇を仕事とする人であることが少なくない。 言い換えれば,劇中劇形式は必然的に演劇そのものへの反省を含むことになる。…

【ピランデロ】より

…イタリアの劇作家,小説家。シチリアに生まれ,ローマ大学,続いてドイツのボン大学を卒業(1891),言語学を専攻した。このころゲーテの訳詩を含め数点の小詩集を出す。帰国後ベリズモ(真実主義)の影響下に,小市民層の灰色の生活を皮肉な憐憫の目で見つめた多くの短編小説《愛なき愛》(1894),《死と生の嘲笑》(1902‐03),《罠》(1915),《明日は月曜日》(1917)など,また〈自由〉と社会的〈役割〉を対置させた《故マッティア・パスカル氏》(1904),リソルジメントの理想喪失の苦悩を描いた自伝的な《老人と若者》(1909)などの長編を発表し続けた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」