世界大百科事典(旧版)内の《十二の椅子》の言及
【イリフ=ペトロフ】より
…ペトロフEvgenii Petrovは本名カターエフEvgenii Petrovich Kataev(1903‐42)で,作家V.P.カターエフの弟である。最初の合作長編《十二の椅子》(1928)は,椅子にかくされたダイヤモンド捜しというピカレスク小説ふうの形式に託して,革命後10年のソ連の世相を痛烈に風刺した作品で,ソビエト時代の《死せる魂》といった趣がある。とくにソ連に巣食う新旧の悪人・寄食者どもの弱みを逆手にとって,稀代のペテン事業をつぎつぎと成就させる主人公オスタップ・ベンデルの魅力は痛快そのものといえる。…
※「《十二の椅子》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」