《口語法調査報告書》(読み)こうごほうちょうさほうこくしょ

世界大百科事典(旧版)内の《口語法調査報告書》の言及

【言語地理学】より

… 日本では1903年に文部省国語調査委員会が音韻と口語法について全国調査をしたのが最初で,フランスの言語地理学に刺激されて企画されたものである。口語法の調査の結果である《口語法調査報告書・口語法分布図》(1906)によって,親不知(おやしらず)と浜名湖を結ぶ線で日本の方言が東西に分かれることがわかった。ついで,柳田国男はカタツムリの俚言(りげん)の地理的分布調査から方言周圏論を唱えて《蝸牛考(かぎゆうこう)》(1930)を著し,戦後になって国立国語研究所から《日本言語地図》6巻(1967‐75)が刊行されて,日本の言語地理学の実質的基礎ができた。…

【口語法】より

…大槻文彦が立案起草し,委員会の審議および上田万年以下の特別委員の整理を経て,1907年に成り16年に公刊された。これは1900年前後の言文一致運動および03年以後の口語法に関する全国的調査(1906年《口語法調査報告書》,1907年《口語法分布図》が刊行された)と相応ずるものであって,全国共通語としての口語の文法を確立する試みの一つであった。もと音,語,文の3部から成るというが,公にされたのは語の部のみである。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」