《史籀篇》(読み)しちゅうへん

世界大百科事典(旧版)内の《史籀篇》の言及

【辞書】より

…それに,これもそうした歴史的な慣習の問題だが,そういうふうに,現在的意味で確実に辞書,辞典でありうるものを含まぬ反面,この〈字書〉という分類は,逆に現在普通にいう辞書とはやや遠いものを含むこともある。《四庫全書総目》の〈小学〉類は,第1類〈訓詁〉,第2類〈字書〉,第3類〈韻書〉の3類に分かれているが,〈字書〉というときこの第2類に含まれる(1)識字教科書としての分類語彙集=《史籀(しちゆう)篇》《蒼頡(そうけつ)篇》《急就篇》など,(2)字形によって文字を分類解説したもの=《説文解字》《字林》《玉篇》《竜龕手鏡(りようがんしゆきよう)》《類篇》《字彙》《正字通》《康熙字典》など,(3)字体についてその正俗等を規定しようとするもの=《干禄(かんろく)字書》《五経文字》《九経字様》など,等々が〈字書〉と呼ばれるほか,1類から3類まで〈小学〉類に属するもの全体を〈字書〉ということもある。〈字書〉は,したがって広狭2様の場合があることになる。…

【文字学】より

…文字学とかかわりをもつ最も古い書物は,今でいう識字課本の類である。周の《史籀(しちゆう)篇》,秦の《蒼頡(そうけつ)篇》,漢の《急就篇》など,日常の文字を韻語でつづり記憶に便なるよう編集された。漢代に入ると,儒教が国教となり,古典の読解力が要求されるようになった。…

※「《史籀篇》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」