《在民部卿家歌合》(読み)ざいみんぶきょうけうたあわせ

世界大百科事典(旧版)内の《在民部卿家歌合》の言及

【在原行平】より

…貴族の子弟の学校奨学院の創設者。885年に彼の邸宅で催された《在民部卿家歌合》は現存最古の歌合である。《古今集》巻十八には〈事にあたりて〉須磨に蟄居した時の作〈わくらばに問ふ人あらば須磨の浦に藻塩たれつつわぶと答へよ〉があり,《源氏物語》の〈須磨〉の巻はこれに拠ったとも言われる。…

【歌合】より


[起源]
 歌う心と競う心と判(ことわ)る心とが結びつけば歌合はいつでも成立しえたはずであるが,万葉時代にもなく,和歌が書き読む文学となって文献に記録されるようになった平安朝初期にもなかった。北家藤原氏の摂関政治を抑えるために和歌をはじめ朝儀,国風を作興した光孝天皇の仁和年間(885‐889)に初めて現存最古の《民部卿行平家歌合》(《在民部卿家歌合》)が出現したことと,歌合の行事形式が相撲節会(すまいのせちえ)に酷似していることとからして,いわば歌相撲といった興味から始められたものとさえ考えられる。
[分類と構成]
 主催者の地位によって,内裏,仙洞,后宮,女院,女御,御息所,親王,内親王,斎宮,斎院,大臣,納言,参議,雲客,地下,女宅,僧房,神社などに分ける階級的規準があり,さらに歌合の興味の所在によって,歌を伴う物合,物合を伴う歌合,物を伴う歌合,純粋歌合と縦に大別し,これを題材によって横に細分して,根合,前栽合,女郎花合,撫子合,菊合,紅葉合,貝合,虫合,鳥合,獣合,職人合,石合,百和香合,扇合,絵合,草子合,小箱合,謎合,物語合,艶書合,問答合,詩歌合,連歌合などに分ける素材的規準がある。…

※「《在民部卿家歌合》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android