《夢》(アイヒ)(読み)ゆめ

世界大百科事典(旧版)内の《夢》(アイヒ)の言及

【アイヒ】より

…〈現実の中に自分を定位するため〉詩作する彼にとって,現実の安定の欺瞞性を暴き,偏見やイデオロギーにより麻痺させられた判断・批判・決断・抵抗の力と良心とを取り戻すことが重要な課題となる。黙示録的放送劇《夢》(1951)も,迷妄の世界の〈厭な夢〉から目覚めかつ覚醒し続けることを呼び掛ける作品で,ロマン派的〈夢〉へのアンチ・テーゼ,また現代人への警告でもある。権力・政治,ひいては〈人間〉〈現実〉〈真理〉すべてへの懐疑・不信が深まるにつれ,本来簡潔な彼の表現は一層切りつめられ,沈黙の淵に臨むに至る。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」