《大著作》(読み)だいちょさく

世界大百科事典(旧版)内の《大著作》の言及

【遠近法】より

…技術的には中世人は透視図法を知っていた(10世紀アラビアの科学者イブン・アルハイサムの著作を通して12世紀に古代の透視図法の理論はヨーロッパに伝えられていた)が,神を絶対者とする中世の抽象的世界観は,自然界を客観的に描出することを必要としなかったと考えられる。ロジャー・ベーコンは《大著作(オプス・マユス)》(執筆1266‐68)で,古代とイスラム世界の技法を,神の調和的世界とその恩寵の遍在についての証明に利用している。したがって,ジョットはフランシスコ会の調和的・汎神論的世界観の影響下にアッシジで描いたフレスコにおいて,ポンペイ風の遠近法を復活させたが,そこには,外界への新たな関心と同時に,ベーコンに代表される,神の秩序への倫理的な証明として整合性ある空間を価値あるものとする,このような伝統があったためと考えることができる。…

※「《大著作》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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