《太平清領書》(読み)たいへいせいりょうしょ

世界大百科事典(旧版)内の《太平清領書》の言及

【太平経】より

…とりわけ,〈太陽・太陰・中和〉の三気,ならびに三気に対応する〈天・地・人〉〈日・月・星〉〈父・母・子〉〈君・臣・民〉〈道・徳・仁〉など,自然や人倫の調和によって太平が実現されることが説かれる。現在の《太平経》と前漢の甘忠可が成帝に献じたという《天官暦包元太平経》12巻,あるいは後漢の宮崇(きゆうすう)が于吉から伝授され順帝に献じたという《太平清領書》170巻との関係,また《太平経》と太平道の組織者でありかつ黄巾の乱の指導者であった張角との関係など,未解決の問題は多いが,道教経典中の古層に属することは疑いがない。【吉川 忠夫】。…

【道教】より

…しかし,この〈神道〉という言葉(概念)は,その教義の中枢をなす〈大神〉(天照大神),〈神宮〉(伊勢神宮),〈斎宮〉や,〈神器〉(三種の神器),さらに〈天皇〉〈上皇〉〈大内〉〈仙洞〉〈紫宸〉〈大極〉などの言葉と同じく,もともとは中国語(漢語)であり,中国古代の宗教思想概念,つまり道教の神学用語であった(初見は《易》の観卦の彖(たん)伝)。
[記紀にみられる影響]
 〈神道〉という中国語を日本古代で初めて用いているのは,720年(養老4),元正天皇の時代に成った《日本書紀》であるが,《書紀》で用いられている〈神道〉の語の意味内容は,中国の後漢の時代の中ごろ,山東琅邪(ろうや)で成立して〈神書〉とよばれていた《太平清領書》(道教の一切経《道蔵》に収載する《太平経》)のなかで多く用いられている〈神道〉の語の用法に近い。そして当然のことながら中国の史書の体裁にならって漢文で書かれている《日本書紀》においては,〈神代の巻〉冒頭の〈古天地未剖,陰陽不分云々(古(いにしえ),天地未だ剖(わか)れず,陰陽分かれず云々)〉の叙述を初めとして,同じく伊弉諾(いざなき)尊の〈用桃避鬼之縁(桃を用いて鬼を避くるの縁)〉,神武紀の〈郊祀天神(天神を郊祀する)〉,垂仁紀の〈常世国則神仙秘区(常世国(とこよのくに)は則ち神仙の秘区なり)〉など道教の神学教理を踏まえた文章表現が少なくない。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」