《孤立国》(読み)こりつこく

世界大百科事典(旧版)内の《孤立国》の言及

【圏構造】より

…すなわち,中心を取り巻く地域(圏)において,中心からの距離が増加するに伴い,中心からの影響が変わってゆき,中心を取り巻いて同心円状の地域に区分されることをいう。 ドイツ人のチューネンが,1826年に発表した《孤立国》の中の中心の都市を取り巻く地域の土地利用の違いは,この例としてよく知られる。チューネンのモデルをさらに広く解釈して,居住,酪農(近郊農業),小麦,放牧,未利用地と展開することも考えられる。…

【地域】より


[機能的地域論の展開]
 これらに対して,農村とその中心をなす都市との機能関係に視点をおいて,同心円的圏域構造の形成理由を初めて論証したのは,J.H.vonチューネンである。その古典的名著《孤立国》(1826)には,著者自身の農場経営における収支計算に基づき,それに演繹的推敲を加えて導き出された法則,すなわち,中心の唯一市場たる都市からの距離に応じて,農業経営形態と輪作方式が輸送費の関係で同心環的に変わる理由が証明されている。この理論は,収穫漸減の法則や差額地代の理論によって裏付けられることは明らかである。…

【地代】より

…都市の中心市場における農産物の市場価格から,都市の中心市場までの農業生産物の運搬費を差し引いたものが,庭先価格または地方価格である。このことはチューネンが《孤立国》で初めて解明した。庭先価格は都市中心市場までの運搬費を除く純粋の生産費+地代に等しい。…

【農業立地】より

… 農業立地問題に科学的に最初にとり組んだのはドイツ人のJ.H.vonチューネンである。彼はみずからテロー農場を経営し,その経験と実際の記録資料に基づいて立地論の古典《孤立国》(1825)を書いた。その中で彼は,都市からの距離の遠近によって立地する農業経営組織(作目)が異なることを明らかにし,農業立地理論の基礎を築いた。…

※「《孤立国》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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