《広日本文典別記》(読み)こうにほんぶんてんべっき

世界大百科事典(旧版)内の《広日本文典別記》の言及

【広日本文典】より

…全国普通の文章語の規範として,主として中古(桓武から後三条天皇までの9~11世紀)の用例にもとづいて法則をたてたもので,本書では文字編,単語編に文章編を加えて説いた。毎条にくわしい注が添えられているだけでなく,別冊として《広日本文典別記》があって,さらに細かに毎節の注釈,敷延,参考,考証,弁解,持論,駁(ばく)論などを集録している。その文法体系は,動詞・形容詞の活用種類,その用法の整理,助詞・助動詞の意味による分類などで,明治初年来おこなわれた国学者流と西洋文典直訳流との折衷というべく,なかには今日から見て無用,不十分の点(たとえば動詞の時,品詞の立て方などについて)はあるが,当時として最もととのったものであり,かつ《別記》によって広く用いられ,その後の教科用文法書に長く影響した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」