《役者の妻》(読み)やくしゃのつま

世界大百科事典(旧版)内の《役者の妻》の言及

【ムーア】より

…1873年パリに赴き,当時の前衛芸術家たち,マラルメをはじめとする象徴派詩人や印象派の画家たちの間で青春を過ごし,初めは《情熱の花》(1878)などの象徴派風の詩作にふけった。79年に帰国後は小説に転じ,転落した女の悲惨な生活を描いたゾラ風の小説《役者の妻》(1885),《エスター・ウォーターズ》(1894)などでイギリス自然主義の代表的作家となった。生涯反カトリックの姿勢を貫きながら,同時に,美貌のオペラ歌手が精神上の煩悶からついに修道院に入る《イーブリン・イネス》(1898)やその続編《尼僧テレサ》(1901)などの作品もあり,さらに1916年には,十字架上のキリストに材をとった《ケリス川》(1916)を著すなど,アイルランド出身者らしい宗教的関心も示している。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」