《復讐 月氷奇縁》(読み)ふくしゅうげっぴょうきえん

世界大百科事典(旧版)内の《復讐 月氷奇縁》の言及

【曲亭馬琴】より

…そのころ,京伝の筆禍事件(1791)を契機に,読本と称する伝奇小説が行われはじめており,曲亭馬琴の戯号のもとに,《高尾船字文(たかおせんじもん)》(1796)を書いた。馬琴の生れついての俠気と正義感や道徳思想,伝奇幻想趣味や中国白話小説,和漢故事等の該博な知識,そしてうむことを知らぬ考証癖等が結びついて,時の小説界に新機軸をひらいたのが,大坂本屋の依頼で書いた《復讐 月氷奇縁(げつぴようきえん)》(流光斎如圭画,1804)であった。当時の読者は,ここにひらかれた妖異な伝奇幻想,そして因果応報と勧善懲悪に徹した強烈な迫力をもつ物語性に瞠目し,馬琴の文名は大いにあがった。…

※「《復讐 月氷奇縁》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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