《心はさびしい猟人》(読み)こころはさびしいかりゅうど

世界大百科事典(旧版)内の《心はさびしい猟人》の言及

【マッカラーズ】より

…ジョージア州コロンバスに生まれ,コロンビア大学,ニューヨーク大学で創作を学んだ。23歳のとき,南部の工場町を背景に,聾啞者シンガーが精神病者の友人に抱く無償の愛と,彼に心の支えを求める過激主義者,思春期の少女,黒人医師たちを描いた《心はさびしい猟人》(1940)により一躍作家の地位を築き,さまざまな病気,脳卒中による麻痺に苦しみながら完成度の高い作品を書いた。軍駐屯地の異常な人間関係を扱った《黄金の眼に映るもの》(1941),12歳の少女の不安定な心理を描き,後にみずから脚色してブロードウェーで成功した《結婚式の参列者》(1946),大女と2人の男の三角関係の物語《悲しい酒場の歌》(1951)など,いずれも肉体的,心理的な奇形,病気,ゆがみをもつ人物を通して,人生に潜む恐怖,寂しさ,人とのつながりへの渇望を描き出している。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」