《招婿婚の研究》(読み)しょうせいこんのけんきゅう

世界大百科事典(旧版)内の《招婿婚の研究》の言及

【婚姻】より

姻族近親相姦婚礼【末成 道男】
〔諸民族の婚姻形態とその歴史〕

【日本】

[古代]
 日本古代の婚姻形態については,正倉院に現存する8世紀の戸籍・計帳では妻の夫籍への付貫が原則であり,《万葉集》に見られるような妻問(つまどい)を婚姻開始時にもつとしても,結局は後世の婚制と同様な嫁聚婚(嫁入婚)に帰着したとするのが主流的説であった。しかしかかる通説を全面否定したのが高群逸枝(たかむれいつえ)《招婿婚の研究》(1953)である。この説は,籍帳には独身の成年男女例,1・2歳の乳児がいながら妻を付籍しない例,生家に子とともに付籍されている娘の例など通説では説明できない事象が広く存在し,しかもかかる例が律令国家の規制の弱まる後代の籍帳ほど多くみられる点をもう一つの根拠にしているが,その最大の論拠は10世紀以降の貴族の日記から復元される婚制が婿取婚(婿入婚)である事実であった。…

【高群逸枝】より

…31年からは運動を退き,自宅にこもって女性史研究に没頭。36年《大日本女性人名辞書》を刊行,《母系制の研究》(1938)で日本古代に母系制が存在したことを立証したのをはじめ,《招婿婚の研究》(1953)で従来の婚姻史をくつがえすなど,女性史研究に一里塚を築いた。ほかに,《女性の歴史》全4巻,自伝《火の国の女の日記》などがあり,全集10巻(1966‐67)にまとめられている。…

※「《招婿婚の研究》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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