《教会政治理法論》(読み)きょうかいせいじりほ

世界大百科事典(旧版)内の《教会政治理法論》の言及

【アングリカン・チャーチ】より

…メアリー1世の時代に一時ローマ教会に復帰した英国国教会は,8年エリザベス1世の登位によって,ふたたびローマより独立した国民教会として確立した。エリザベスの教会・国家体制はローマ教会員とピューリタンによって厳しく批判されたが,16世紀末になるとフッカーが《教会政治理法論》(1594)を著し,神の法にも理性の法にももとらない英国国教会がその基礎を聖書と初代教会よりの伝統に置き,ローマにもジュネーブにも偏しない中道的立場に立つことを弁証した。安定したかに見えた国教会体制はスチュアート朝の登場によって危うくされ,1640年,絶対王政と結びついた主教制と祈禱書は廃止されたが,60年王政復古とともに再確立し,ピューリタンは信従を拒否して非国教徒となり,88年の名誉革命後は自由教会を形成した。…

【フッカー】より

…オックスフォードで学び,1585年ロンドンのテンプル教会の主任司祭に就任。ピューリタンのトラバースWalter Traversとの論争から生まれた《教会政治理法論》(1594)で,ピューリタンの聖書主義を批判し,英国国教会が神の法にも理性の法にももとらず,聖書と初代教会以来の伝統に基づいた教えであることを弁証した。その契約の理念はのちのロックに影響を及ぼし,そのすぐれた文章は16世紀イギリス文学の傑作に数えられている。…

※「《教会政治理法論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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