《武蔵野夫人》(読み)むさしのふじん

世界大百科事典(旧版)内の《武蔵野夫人》の言及

【大岡昇平】より

…1944年一兵士として応召出征,45年1月フィリピン戦線でアメリカ軍の捕虜となった。48年この経験を書いた短編《俘虜記(ふりよき)》(合本《俘虜記》では《捉(つか)まるまで》と改題)で文壇に登場,次いで禁欲的な恋愛小説《武蔵野夫人》(1950),敗軍下の戦場での神と人肉食の問題を取りあげた《野火》(1951)を発表,戦後文学を代表する作家の一人となった。その後は評伝《朝の歌――中原中也伝》(1958),《富永太郎の手紙》(1958‐60)で自己の青春に強い影響を及ぼした詩人たちの生涯を確かめ,また《花影》(1958‐59)で無垢な女性の死を描くなど,孤独な人間の生を追求していたが,60年代に入って敗軍の将を主人公とした歴史小説《天誅組》(1963‐64),《将門記》(1965)を発表,続いて大作《レイテ戦記》(1971)を完成した。…

※「《武蔵野夫人》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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