《江談》(読み)ごうだん

世界大百科事典(旧版)内の《江談》の言及

【大江匡房】より

…神儒仏道にひろく通じ,諸道兼学の啓蒙的百科全書家ともいえよう。わが国の神仙と目される37人の伝を記した《本朝神仙伝》,慶滋保胤(よししげのやすたね)の《日本往生極楽記》のあとを継ぎ,寛和以後の往生人42人の伝を録した《続本朝往生伝》は唱導文学のうえで,また彼の言談を蔵人藤原実兼が筆録したものといわれる《江談(ごうだん)》(《江談抄》)は説話文学のうえで,彼の制作した願文115編を撰録した《江都督納言願文(ごうととくどうげんがんもん)集》とともに院政期文学史の流れの中で注目すべき遺産である。そのほか彼の作品は《朝野群載》《本朝続文粋》などに,自照的な《暮年詩記》,批評文学としての《詩境記》,院政期の庶民生活をつづった《対馬貢銀記》《遊女記》《狐媚記》《傀儡子記(くぐつき)》《筥崎宮記(はこざきぐうき)》《洛陽田楽記》などの特色ある作品が見られる。…

【江談抄】より

…匡房の晩年における談話が中心になっているが,かなり早い時期の言談,あるいは匡房の没後のまた聞きの筆録も加わっており,12世紀の初頭,匡房の没後あまりへだたらないころの成立と考えられる。《江談》《水言鈔(すいげんしよう)》ともいわれ,おもに漢文で記されている。古本系と類聚本系の2系統があり,古本系は雑纂形態で,談話体,問答体の形をもち,言談の筆録という本来の姿をよく残している。…

※「《江談》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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