《照葉狂言》(読み)てりはきょうげん

世界大百科事典(旧版)内の《照葉狂言》の言及

【泉鏡花】より

…この間94年には父清次が死去,祖母や弟をかかえて生活苦を味わう。96年《照葉(てりは)狂言》を《読売新聞》に発表,少年を主人公とする清新な抒情で新しい境地をきりひらき,やがて《高野聖(こうやひじり)》(1900)などにおいて,師紅葉を超えるほどの人気作家となる。しかし06年ごろより活発になる自然主義文学の隆盛の影響をうけ,文壇的には不遇となるが,能楽や江戸文学を素養とする鏡花の世界は,亡き母を恋うる感情,華やかな色彩性と夢幻性をあわせもち,不遇の期間にも《春昼》(1906),《草迷宮(くさめいきゆう)》(1908)など幻想的な作品を多く発表する。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」