《続教訓抄》(読み)ぞくきょうくんしょう

世界大百科事典(旧版)内の《続教訓抄》の言及

【教訓抄】より

…雅楽,特に舞楽全般についてまとめた日本最古の総合音楽書。その孫狛朝葛の《続教訓抄》,豊原統秋の《体源鈔》,江戸時代安倍季尚の《楽家録》の先駆をなす楽書の第一で,鎌倉時代初期の舞楽の実態を伝えている点,歴史的価値が高い。歌舞口伝5巻(第1公事曲,第2大曲等,第3中曲等(以上嫡家相伝舞曲物語),第4他家相伝舞曲物語・中曲等,第5高麗曲物語)と伶楽口伝5巻(第6無舞曲楽物語六十八,第7舞曲源物語,第8管絃物語,第9打物部(口伝物語),第10打物案譜法(口伝記録))とからなる。…

【ばさら】より

…語源は,〈金剛・金剛石〉を意味するサンスクリット語のvajraの音訳〈バザラ〉にあるとされ,十二神将の一つである〈伐折羅大将(ばざらだいしよう)〉をもさすが,鎌倉時代の中期には,すでに〈派手(はで)〉〈分(ぶ)に過ぎた贅沢(ぜいたく)〉〈乱脈〉等々の意味をもつ言葉として用いられていたようである。〈ばさら〉の語が文献に現れた早い例には,1270年(文永7)ころの成立と見られる狛朝葛(こまあさかつ)の音楽書《続教訓抄》の記事があり,音楽・舞楽において,本式の拍子から外れて自由に目立つように演ずる形式のことをさしている。また,室町幕府の発足時,1336年(延元1∥建武3)に足利尊氏が出した政治要綱《建武式目》の第1条では倹約を諭し,近ごろ〈婆佐羅(ばさら)〉といって〈過差(かさ)〉を好む風潮が際だっているのを深く戒めている。…

【長谷雄卿草紙】より

…その後長谷雄は路上で鬼に責められるが,北野天神を念じて鬼を退散させるところまでを描く。同様な説話は,1270年(文永7)唐楽舞師狛朝葛(こまあさかつ)(1249‐1333)撰《続教訓抄》にもみられ,この絵巻も何らかの古い伝承にもとづいたものと考えられる。絵の各段は物語の筋を忠実にたどって進むが,いずれも単純な画面構成の中に大柄な人物を配した単調な描写に終始し,人物描写においてもいささか卑近な容貌など通俗化した表現で雅趣に乏しい。…

※「《続教訓抄》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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