《自助》(読み)じじょ

世界大百科事典(旧版)内の《自助》の言及

【イギリス】より

…その一つは1880年代初期におこった公正貿易運動で,その狙いは外国の保護関税や輸出補助金からイギリスの産業を防衛するために,報復関税・相殺関税を課してフェア・トレード(公正な貿易)を維持することと,帝国特恵関税制度をてこにして大英帝国を結合し,イギリス工業製品の輸出市場を維持拡大することにあった。もう一つは1890年代の言論界をわかせた〈ドイツ製品〉騒ぎで,ドイツ製品の世界的進出の背景には企業家自身の自助努力とともに,保護関税,輸出奨励金,補助金,低金利融資,鉄道運賃割引,科学技術教育などドイツ政府の援助のあった点を指摘して,政府に産業保護政策を迫るキャンペーンであった。しかし,このような運動やキャンペーンは不況にあえぐ工業部門や農業界では盛り上がりをみせたが,国民をひきつけ自由貿易の伝統を切り崩す原動力とはならなかった。…

※「《自助》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」