《視覚論》(読み)しかくろん

世界大百科事典(旧版)内の《視覚論》の言及

【イブン・アルハイサム】より

…物理学・数学・天文学・医学・哲学についてきわめて多くの著作をものした。中でも《視覚論》では,眼の解剖学的記述を行い,また反射光学や屈折光学の複雑な問題を解いた。この書物はラテン語訳されて西欧世界に伝えられ,R.ベーコン,ウィテロ,ケプラーなどに大きな影響を与えた。…

【光学】より

… 古代におけるさまざまな理論は中世のアラビアに伝えられ,それぞれの支持者を見いだすことになったが,この学問に最大の寄与をしたのはイブン・アルハイサム(アルハーゼン)である。彼は光の本性から眼球の構造までを論じた《視覚論(光学)》を著したが,この中で日常的な観察に基づく議論を展開した。たとえば,強い光は目を傷つけるという事実から,視線が流出するとする説をしりぞけ,光は透明媒体中を伝播する発光体や視覚対象の形相であると考えた。…

※「《視覚論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」