《道教義枢》(読み)どうきょうきすう

世界大百科事典(旧版)内の《道教義枢》の言及

【道教】より


[道教文献の整理と分類]
 《雲笈七籤》は漢・魏の時代から唐・五代・宋初にわたって,以上のごとく集大成されて成立した道教の文献のすべてを三洞三十六部,四輔に分類している。この分類は唐代前半期の道教教理書《道門経法相承次序》や《道教義枢》などの記述をそのまま継承するものであり,このうち三洞のみの分類は,さらに古く5世紀,劉宋の道士陸修静のころまでは確実にさかのぼりうるであろうが,三洞とは上記のように洞真,洞玄,洞神をいう。 洞真部の道教経典は,《雲笈七籤》巻六に引く唐初に成立の《業報因縁経》に〈元始天尊は亦た天宝君とも名づけ,洞真経十二部を説く〉とあり,道教三尊,すなわち太上老君太上道君元始天尊,のうち出現が最も遅く,6世紀半ば以後と推定される元始天尊(〈天尊〉の語は漢訳仏典から始まる)の教誡を経典化したものであるが,この洞真部経典群の内容的な特色は,その代表的な経典《元始無量度人経》や《无上(むじよう)内秘真蔵経》などが最も良く示しているように,用語と思想とに仏教的な色彩の濃厚なことである。…

※「《道教義枢》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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