《阿弥陀二十五菩薩来迎図》(読み)あみだにじゅうごぼさつらいごうず

世界大百科事典(旧版)内の《阿弥陀二十五菩薩来迎図》の言及

【当麻曼荼羅縁起】より

…下巻第3段の姫君が来迎をうけて往生する場面は,巻末にふさわしく阿弥陀聖衆来迎のありさまを大構図にまとめている。その構成は,知恩院所蔵の〈早来迎〉と称される《阿弥陀二十五菩薩来迎図》の系統に酷似しており,仏菩薩を描き出す描線も遅滞なくのびやかに引かれ,絵仏師の参画をも想定させる。この仏画的な来迎場面をはじめ,各段のおおらかな画風や詞書の書風から,制作年代は13世紀中ごろと考えられるが,本作品成立の背景として,そのころの当麻寺曼荼羅堂厨子の修理や,証慧の《当麻曼荼羅縁起》の撰述など,中世に入っての当麻曼荼羅信仰があげられよう。…

【知恩院】より

…1639,重要文化財),〈鶯張りの廊下〉を経て後方には狩野一門の障壁画を配した江戸初期の大規模な書院造建築の大方丈・小方丈(ともに1641,重要文化財),また《宋版一切経》(5969帖,重要文化財)を納める経蔵(1619,重要文化財)などがあり,上の段には当院最古の建物で旧御影堂の勢至堂(1530,重要文化財)が建つ。寺宝は絵画,書跡,彫刻,工芸など数多いが,宗祖法然の生涯を48巻にまとめた《法然上人絵伝》(鎌倉時代),〈早来迎(はやらいごう)〉として知られる《阿弥陀二十五菩薩来迎図》(鎌倉時代),聖徳太子伝の最古本で永く法隆寺勧学院に蔵せられていた《上宮聖徳法王帝説》(平安時代),渡来品では《菩薩処胎経(ぼさつしよたいきよう)》(西魏時代),《大楼炭経(だいろうだんきよう)》(唐時代)がともに国宝に指定されている。【谷 直樹】。…

【来迎図】より

…平安末期の源平争乱を境に世紀末的不安はいっそうの高まりを見せ,浄土信仰は新時代を画するが,鎌倉時代は来迎図の盛期であるとともに新しい形式のものが登場した。当代の代表的遺品は知恩院の《阿弥陀二十五菩薩来迎図》で,自然景をバックに阿弥陀仏の一行が向かって左の山の端から右下辺の往生者の邸に直線的に下降する様を表す。当代のものにはこのような斜構図により来迎の必然性を説き示す形式が主流をなす。…

※「《阿弥陀二十五菩薩来迎図》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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