世界大百科事典(旧版)内のアクトゥールの言及
【俳優】より
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[〈俳優〉という言葉の周辺]
今日の日本でわれわれ知るところの俳優という概念は,ほぼ近代西洋演劇におけるそれの移入であると言ってよい。すなわち,具体的には英語でいえばアクターactor,フランス語でいうとアクトゥールacteurまたはコメディアンcomédien,ドイツ語ではシャウシュピーラーSchauspielerといった近代西洋語の指し示すものがそれに当たる(なおフランス語のニュアンスとしては,アクトゥールがときに自分の人格を役に押しつけ気味なのに対して,コメディアンはもっと広く深く,自分を消してさまざまの役に変身でき,アクトゥールよりまさる者とされたりもしている)。 このような近代西洋語の概念に対して,日本で明治期にそれらの西洋型概念の訳語としても用いられるようになった〈俳優〉という中国語(漢語)が持つそもそもの意味合いや(別項の〈俳優〉参照),あるいは日本古代に用いられた〈わざおぎ(俳優)〉という言葉が意味するところのものは,かなりそのニュアンスを異にしている。…
※「アクトゥール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」