世界大百科事典(旧版)内のアプライド・アートの言及
【工芸】より
…一つは,19世紀中葉から芸術至上主義的な考え方のもとに,〈美術〉が〈純粋な芸術的表現をもつもの〉という限定された概念をもつようになったため,結果的に工芸の方が取り残されたことによる。英語で美術のことを,ファイン・アートfine art,ピュア・アートpure art(純粋芸術)というのに対して,工芸のことをマイナー・アートminor artまたはレッサー・アートlesser art(小芸術),ユースフル・アートuseful art(有用芸術),アプライド・アートapplied art(応用芸術),デコラティブ・アートdecorative art(装飾芸術)といい,ドイツ語でも美術をシェーネ・クンストschöne Kunst(美術),フライエ・クンストfreie Kunst(自由芸術)というのに対して,ゲブラウフスクンストGebrauchskunst(実用芸術),ウンフライエ・クンストunfreie Kunst(羈絆(きはん)芸術)と,工芸のことをやや劣等的な意味をこめた言い方(定義)をするのは,このことを示している。 もう一つは,工芸に内在する工業的要素が積極的に支持されたことによる。…
※「アプライド・アート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」