世界大百科事典(旧版)内のアランビックの言及
【酒】より
…ヘレニズム文化の所産である蒸留機は,酒を加熱するフラスコとその口にかぶせてアルコールを含む蒸気を空冷するくちばし付きのキャップ(アンビクスambix)からなり,これを錬金術の道具として使ったアラブ人によりアンビークal‐anbīqとよばれた。現在のモルトウィスキー,コニャックをつくる蒸留機もほぼ同型でアランビックと称し,日本の焼酎のそれもランビキといわれていた。8世紀,イスラム軍とともにスペインへ移った錬金術はその中心地コルドバよりヨーロッパ各地に伝えられた。…
【蒸留酒】より
… 形状からみて,蒸留に使われたと思われる土器は,紀元前3000年ころのメソポタミア文明の遺跡から出土しているが,ブドウ酒の蒸留を記録したのはアリストテレス(前384‐前322)がはじめである。前4世紀末以降,アレクサンドリアを中心に花開いたヘレニズム文化は錬金術を発達させ,銅製の蒸留機アランビックがその道具として使われた。アランビックは,ヘレニズム文化の伝播(でんぱ)にともない,蒸留技術とともに東西にひろまった。…
※「アランビック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」