世界大百科事典(旧版)内のアロー,J.P.の言及
【メロドラマ】より
…19世紀初頭の劇場は,いずれもこぞって幻想的な大がかりな装置を飾り,背景画家や道具方は俳優同様重要な存在になっていく。ピクセレクールの代表作《バビロンの廃墟》のティグリス川を背景にした巨大な王宮のセットは,ジャン・ピエール・アローJean‐Pierre Alauxの作で評判となったし,あるいはベスビアス火山の爆発を表現したJ.ダゲール(のちの写真のダゲレオタイプの発明者)などの装置家による視覚的要素での貢献は,地方色・時代色を尊重するのちのロマン派演劇の傾向をも促進したのであった。 今日では,メロドラマのさし示す意味合いはさらに変容し,一般に波乱に富む男女の通俗的恋愛劇をさすようになっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」