世界大百科事典(旧版)内のアンティカ体の言及
【書】より
…すばやい筆致の黒字体の書簡用草書体には,13世紀教皇庁文書に代表されるイタリア尚書体や15世紀フランスの折衷体など多くのバリエーションがある。15世紀には,イタリア人文主義者たちの古典古代文化の研究を背景に,カロリング小文字を基にした明快なアンティカ体lettera antica(アンティック体)と,黒字体から派生したイタリック体Italic草書が生まれ,活版印刷機の発明に及び,前者は公式文書用のロマン・タイプの活字,後者はイタリック体活字の,それぞれ原型となった。カリグラフィーは,17世紀にイタリア,オランダ,フランスで流行し,モントージエ侯爵の注文になる《ジュリーの花飾》(1641)のような傑作も生まれる。…
※「アンティカ体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」