世界大百科事典(旧版)内のイサクの犠牲の言及
【イサク】より
…晩年に失明し,死ぬ前に長子エサウを祝福しようとしたが,欺かれて次男のヤコブを祝福した。【並木 浩一】
[図像]
イサクの物語の諸場面は古くから《ウィーン創世記》などに見いだされるが,なかでもキリスト磔刑(たつけい)の予型とされる〈イサクの犠牲〉の場面は,単独でも多く描かれてきた。イサクに刃をかざすアブラハムを天から差し出された手が止める表現(サン・ビターレ聖堂モザイク,6世紀)や後には天使が天から舞いおりるなど劇的な表現が好まれた(レンブラント《イサクの犠牲》1635)。…
【ギベルティ】より
…彫刻家としての最初の確実な足跡は,毛織物組合の後援により1401‐02年に行われたフィレンツェ洗礼堂第二門扉(現,北門扉)の制作者を決めるコンクールに,ブルネレスキやクエルチアらと参加したことである。最終的に彼が選ばれることになり,その際の試作品浮彫《イサクの犠牲》(ブロンズ)は,彫刻的というよりも絵画的効果に主眼が置かれ,ゴシックの線的リズムが構図を支配し,細部には金工家特有のきめ細かい仕上げが施されている。この洗礼堂第二門扉は,チュッファーニCiuffagni,ドナテロ,ウッチェロ,ミケロッツォたちの手を借り,約20年の歳月を費やして完成された。…
※「イサクの犠牲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」