世界大百科事典(旧版)内のイスラム国家論の言及
【イスラム】より
…その空間的な広がりが〈イスラムの世界(ダール・アルイスラーム)〉であった。したがって独自な権力国家論を展開したイブン・ハルドゥーンを除けば,ムスリム知識人(ウラマー)によるイスラム国家論は,もっぱらウンマの代表としてのカリフ(イマーム)を中心論題として展開され,実質的に国家としての機能を担う王朝(ダウラ)はその視野の外に置かれていたのである。
[カリフ権と王権]
〈神の使徒の代理〉として初代カリフに就任したアブー・バクルは,ムハンマドの宗教・政治の両権限のうち,政治的権限だけを継承した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」