世界大百科事典(旧版)内のイデオロギー映画の言及
【プロレタリア映画】より
…その先鞭をつけたのは,当時29歳の青年監督伊藤大輔が,封建時代の下郎を主人公にして社会的不正,階級制度を痛烈に批判した時代劇《下郎》(1927)である。この映画が,当時〈危険思想〉といわれた社会主義的イデオロギーにつらぬかれているということから,初めて〈イデオロギー映画〉あるいは〈傾向映画〉と呼ばれた。しかし,〈傾向映画〉ということばが真にジャーナリズムに乗るのは,プロレタリア作家,片岡鉄兵(1894‐1944)の新聞連載小説を映画化した内田吐夢監督の《生ける人形》(1929)がヒットしてからである。…
※「イデオロギー映画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」