世界大百科事典(旧版)内のイプの言及
【ハワイ[州]】より
…【正井 泰夫】
[伝統音楽]
ハワイ伝統文化において音楽が文芸,舞踊と結合した形で行われてきた点では他のポリネシア諸島と共通しているが,ポリネシアの中では例外的に楽器の種類が多い。ヤシの丸太をくりぬきサメ皮を張った片面太鼓パフpahu,ヤシ殻に魚皮を張り膝に結びつける片面太鼓プーニウpūniu,巨大なひょうたんをマットの上で搗奏したり,指や手のひらで打奏するイプipuなどは舞踊フラhulaの伴奏楽器として基本的である。おもに踊手自身が採物として手に持つ音具としては,2本の硬い木片を打ち合わせるカラアウkala’au,小さなひょうたんやヤシ殻の中に小石,種子を入れた羽毛飾つきがらがらとしてのウリーウリーulī’ulī,竹筒を櫛のように細く裂いたささら竹を身体に打ちつけるプーイリpū’ili,2対の平らな石を両手に持ってカスタネットのように打ち合わせるイリイリ’ili’iliがそれぞれ特有の音色により変化に富んだ音響世界をつくり出す。…
※「イプ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」