世界大百科事典(旧版)内のイボタ蠟の言及
【イボタノキ】より
…山林中に多いモクセイ科の落葉低木で,イボタロウカイガラムシが寄生して樹皮上にイボタ蠟(虫白蠟)を生ずる(イラスト)。高さ2~4m。…
【イボタロウカイガラムシ】より
…通常,雌は雄に比べて著しく個体数が少なく,しばしば雄集団の蠟塊と離れて寄生する。雄幼虫のつくる蠟塊(イボタ蠟)は昔から障子やふすまの敷居に塗って滑りをよくするのに用いられた。また,この蠟塊からつくられる白蠟(ペーラ)は融点が80℃と高く,特殊な用途をもつため,かつて中国で工業生産用に養殖が行われたことがある。…
【蠟】より
…ワックスともいう。元来,蠟は人類が天然物からのこのような物性のものを採取利用したものなので,蜜蠟,イボタ蠟,木蠟,地蠟(ちろう)などと抽出物質の名を冠して呼ばれる多様な物質を含んでおり,その組成も多様である。天然物の油脂に対比してみると,油脂が高級脂肪酸グリセリドであるのに対して,主要な生物系天然蠟は高級脂肪酸の1価(まれには2価)のアルコールエステルであるところから,化学的に定義する場合は,高級脂肪酸の一価または二価アルコールエステルを蠟としている。…
※「イボタ蠟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」