世界大百科事典(旧版)内のいろぎの言及
【喪服】より
…また和服は都市では男子は黒紋服に袴,女子は白無垢に白の帯を用いたが,女子の白無垢・白の帯はしだいにすたれて,昭和時代に入ると男子と同じように黒紋服に黒の帯が用いられるようになり,さらに略式には黒の帯のみを用いて喪服にかえることもある。 これに対し地方の農山漁村にはなお古風が伝えられ,喪服を〈いろ〉〈いろぎ〉〈しろぎん〉〈かたぎぬ〉〈うれいぎもの〉などと呼び,麻,木綿の素または白地の布で千早(ちはや),肩衣(かたぎぬ),小袖などを作って用いているほか,〈いろぎ〉といって白木綿1反を肩から腰に巻いたり,〈いろ〉〈しろ〉〈もんかくし〉などといって白布を肩にかけたり長く四つに折って襟にかけたりしているが,これも一種の喪服といえよう。なお,喪中・葬送の被り物も注意すべきで,49日の〈ほんいみ〉の期間中に外出する場合には〈てんとうおそれ〉などと称して,白木綿の布で必ず頭部を包むという風が行われたり,葬送に忌みがかりの男たちが〈かんむり〉〈かみえぼし〉〈しほう〉〈かみかくし〉〈みかくし〉〈まんじのぬの〉などと称して三角形の布や紙ぎれを額につけたり,白布で鉢巻したり,〈きちゅうがさ〉などといってイ(藺)の編笠(あみがさ)をかぶることが各地で行われてきた。…
※「いろぎ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」