世界大百科事典(旧版)内のインド綿布の言及
【インド洋】より
…15世紀のインド洋,特にその東部で活躍したのは,外来,土着を問わず,インドを本拠とするイスラム商人や一部ヒンドゥー商人であった。彼らの運送したインド綿布(13世紀中ごろと推定される糸車の導入で生産が増加した)は,東アフリカで黒人奴隷や象牙の購入に用いられるなど,インド洋全域への最も重要な商品であったが,特に東南アジア産の丁子(クローブ),ニクズク(ナツメグ)などの香料入手に不可欠で,彼らは新興のマラッカ王国で大きな影響力をもった。 15世紀初めに経済危機に悩むエジプトのマムルーク朝が香料の国家専売制を導入したことが,結果的に15世紀末のポルトガル人のアフリカ南端迂回ルートによるインド洋への進出を招いた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」