世界大百科事典(旧版)内のインベーダー物の言及
【SF映画】より
… 〈サイエンス・フィクション〉なることばは,H.ガーンズバックが主宰する《アメージング・ストーリーズ》誌から1929年に生まれて以来,もっぱら小説の呼称として使われてきたわけだが,ここに至って,初めて〈書かれたサイエンス・フィクション〉に対して,〈ムービー・サイエンス・フィクション〉,または〈スクリーン・サイエンス・フィクション〉が市民権を得たといえる。
[インベーダーと放射能怪獣]
1950年代のSF映画の二大特色は〈インベーダー物〉と〈放射能怪獣物〉で,映画史家S.C.アーリーによれば〈怪奇映画が50年代になってSF映画になって現れた〉ことになり,〈狼男やミイラ男や歩く死骸(ゾンビ)が,宇宙からの侵略者や核爆発の放射能によって眠りからさめた太古の恐竜,あるいは巨大化した生物になった〉のである。〈インベーダー物〉についていえば,当時,前述の《地球の静止する日》のような平和の使者的宇宙人は例外で,以後,76年の《地球に落ちてきた男》,77年の《未知との遭遇》における〈友好的宇宙人〉の登場まで,SFのスクリーンは,スーザン・ソンタグのいう〈惨劇のイマジネーション〉〈破壊の美学〉一色に染め上げられることになる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」