ウァスス(読み)うぁすす

世界大百科事典(旧版)内のウァススの言及

【託身】より

…この例からもわかるように,託身によって設定される主従関係は,隷属的な色彩の強い〈家産制的〉支配関係である。託身者がウァススvassus,ウァサルスvassallus(隷属者を意味するケルト語のグワスgwasに由来する中世ラテン語)と呼ばれたのも,そのためである。しかしのちには,彼らの中で軍事勤務に服する者だけがウァスス,ウァサルス(これらの語はのちには封建家臣を意味するに至った)と呼ばれるようになり,他方で,彼らとゲルマン古代以来の〈従士〉(従士関係は誠実の宣誓のみによって設定された)とが融合し,しだいに本来の意味の〈封建家臣〉が成立するに至った。…

【封建制度】より

…この主人と被護民との間の支配関係は,隷属的色彩の強い〈家産制〉的支配関係である。ローマ時代のこの慣行はフランク王国の時代にも引き継がれたが,そこにおける治安の混乱と外敵の侵入とは,私兵隊形成の必要性を高め,被護民の中には軍事勤務に利用されてウァススvassus,ウァサルスvassallusと呼ばれた者も少なくない。 他方で,ゲルマン人の間には〈従士制度〉と呼ばれる自由な軍事的主従関係が存在していたが,これとローマ時代以来の慣行とが,両者の機能の共通性のゆえにしだいに融合して,8世紀後半には本来の意味の〈家士制〉が成立することになった。…

※「ウァスス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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