《ウィーンの戴冠福音書》(読み)うぃーんのたいかんふくいんしょ

世界大百科事典(旧版)内の《ウィーンの戴冠福音書》の言及

【カロリング朝美術】より

…同系統の《アダの福音書》(785ころ),《サン・メダールの福音書》(9世紀初頭),《ロルシュの福音書》(9世紀初頭)などを総称して〈宮廷派Scuola palatina写本〉(〈アダAda群〉ともよぶ)というが,それらは時代が下るにつれて,いくぶん古代風の自然主義的写実の傾向が強くなる。〈ウィーンの戴冠福音書群〉とよばれる一連の写本は《ウィーンの戴冠福音書》(9世紀初頭),《アーヘン宝物館の福音書》(800ころ)を含むが,そこに見られる空気遠近法を使った背景や肉付きの的確な人物像はポンペイの壁画を思わせるほど古代風である。一方,〈ランス派〉とよばれるランス近郊の修道院で生まれた《エボの福音書》(835以前),《ユトレヒト詩篇》(820‐830)では,筆が速く,輪郭線は震えるような波状をなし,古代風の静けさはない。…

※「《ウィーンの戴冠福音書》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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