世界大百科事典(旧版)内のエネルギー分布則の言及
【統計力学】より
…気体分子運動論
[エルゴード仮説と統計集団]
熱平衡状態の統計力学の建設はすんなりとはいかなかったが,1868年にボルツマンが,分子の速度成分を確率変数とみるマクスウェルの速度分布の導出法は分子運動がニュートン力学に従うことと矛盾するとし,気体分子間のエネルギー分配問題を考え直したところから始まる。ボルツマンは,気体内の1個の分子に着目すると,そのエネルギーは他分子との衝突により増減するが,単位時間中に区間(A,A+dA)内のエネルギー値をとる状態に滞在する割合としてエネルギー分布則Φ(A)dAを定義する。Φ(A)の形は詳細に見たつりあいの式の解としてΦ(A)∝e-hAと求まる。…
※「エネルギー分布則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」