世界大百科事典(旧版)内のエルナニ合戦の言及
【エルナニ】より
…幾多の波乱の後,ついにエルナニはドニャ・ソルを妻とすることになるが,婚礼の夜,さきに取り交わした騎士の誓約の履行をリュイ・ゴメスに迫られ,新郎新婦は毒を仰いで死に,これを見たリュイ・ゴメスも自殺する。上演の際,ユゴーを総帥とするロマン派と保守的な擬古典派との間に〈エルナニ合戦〉という闘争を引き起こして,ロマン派劇に勝利を得させ,30年代のロマン主義の隆盛に道を開いた。登場人物の性格描写に難点はあるが,全編を満たす抒情味や美しい背景によって,フランス・ロマン派劇の傑作であることを失わない。…
【ゴーティエ】より
…高校の同窓生ネルバルを通じてユゴーと親交を結んだ。ユゴーの劇作《エルナニ》の上演(1830)に際して巻き起こった〈エルナニ合戦〉には,赤いチョッキを着て出陣,上演を妨害しようとした擬古典派と渡り合った。1830年の七月革命以後は,ジャーナリストとして文芸批評や美術批評に手を染めるかたわら,詩や小説を発表した。…
※「エルナニ合戦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」