エンパイア・スタイル(読み)えんぱいあすたいる

世界大百科事典(旧版)内のエンパイア・スタイルの言及

【スカート】より

…続くロココ・スタイルのスカートは柳の木などでつくられた腰枠(パニエpanier)を入れて横に広く張り出し,あたかもカニが歩いているようであったという。フランス革命は,服装自体も自然の体形に回帰させ,古代ギリシア風の体に沿ってほっそりとした形を尊重したエンパイア・スタイルempire styleを生み出した。しかし,スカートの形は再びふくらみ,19世紀半ばには馬毛入りペティコートで支えられた半球形のクリノリン・スタイルが流行し,ナポレオン第二帝政時代の典型的なモードとなった。…

【ターバン】より

…ナポレオンが,エジプト遠征からフランスへ帰国の際に持ち帰ったのが初めとされている。第一帝政時代に流行した,古代ギリシア風のほっそりとしたエンパイア・スタイルには,このターバンがよく調和した。夜間用には真珠,宝石を散らした豪華なターバンが大流行した。…

【服装】より


[市民社会のモード]
 フランス革命の激動期を経て,市民社会が成熟してくる19世紀になると,男子服ではひきつづきイギリス・モードの影響が強く,燕尾服ジレ,長ズボンが定着し,やがて近代的な背広服が完成される。その結果,男はしだいにモードから遠ざかり,女がモードの主役を引き受けることになり,エンパイア・スタイル,ロマンティック・スタイル,ネオ・ロココ・スタイル,バッスル・スタイルというように,目まぐるしく流行が変遷する。 1797年のクーデタでナポレオンが政権を握ってから,第一帝政期にかけて,ネオ・クラシズムのエンパイア・スタイルが流行する。…

【帽子】より

…男子用はトリコルヌがほとんどであった。
[近代]
 フランス革命後はギリシア・ローマへのあこがれから,古典古代のスタイルが流行し,第一帝政時代にちなんでエンパイア・スタイルと呼ばれた。単純な服に単純な帽子が好まれ,ターバン,キャップ,コルネット,ボンネットが用いられた。…

※「エンパイア・スタイル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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