オゲ(読み)おげ

世界大百科事典(旧版)内のオゲの言及

【乞食】より

…しかしこれら祝福芸がたとえば能や狂言などのように社会の上層に上昇転化するきっかけを失い,また近世に入ってからは,これらの芸をになった人々のほとんどが,差別視された身分におとしめられるにつれ,かつての巡遊芸人たちもこじきと同様にみなされるに至ったのである。 また最後のタイプのこじきにはたとえば,おもに箕(み)なおし,筬(おさ)作りなどにたずさわったといわれる山窩(さんか),オゲと呼ばれる漂泊漁民,野鍛冶などがあたる。彼らの場合も,中世から近世にかけて都市が発達してゆく過程で,そこに定着することに失敗した職種の商人たちが,のちのちまでこじきとして残されてしまったのであろう。…

【山窩】より

…日本の山間部を生活の基盤とした,漂泊性の強い少数集団であったが,第2次大戦あたりを境にして不明となった。サンカは散家,山稼,山家などとも書かれてきたが,民間ではポン,ノアイ,オゲ,ヤマモンなどと呼んでおり,とくに平地の住民からは異端的に見られていた。その生活の実体は十分につかめてはいないが,現在までによるべき民俗学的研究は,柳田国男《“イタカ”及び“サンカ”》(《人類学雑誌》第27巻第6号,第8号,第28巻第2号。…

※「オゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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