世界大百科事典(旧版)内のオーラル・コンポジションの言及
【説経節】より
…すなわち,語り手は,暗記した詞章を語るのではなくて,多くの決まり文句を蓄えていて,聴衆を前にしてそれらを取捨選択しその場で自由に物語を構成しながら語ったのであり,その演出の一回一回がオリジナルなものであったのである。パリーM.ParryとロードA.B.Lordはユーゴスラビアの叙事詩の研究を通して,無文字の社会では口承文芸はこのような方法で語られることを明らかにし,この方法をオーラル・コンポジションと呼んだ。文字に書きとめられる以前の説経節はこのような口承文芸であったことを,古説経の正本を通してうかがうことができる。…
※「オーラル・コンポジション」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」