世界大百科事典(旧版)内のお涙頂戴喜劇の言及
【市民劇】より
…18世紀はまた感傷趣味の強い時代で,人間の悪徳を嘲笑する喜劇よりも,人間の不幸に同情して涙することが良い趣味だと考えられ,劇のジャンルを峻別することを好むフランスでは,市民生活を扱い,同情を催すような哀しい内容をもつが,悲劇的結果だけは避けてハッピー・エンドとする戯曲が登場した。これがいわゆる催涙喜劇(お涙頂戴喜劇)comédie larmoyanteである。デトゥーシュDestouches(1680‐1754)やラ・ショッセNivelle de la Chaussée(1691‐1754)などがその代表的な劇作家であった。…
※「お涙頂戴喜劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」