世界大百科事典(旧版)内のカラミンブラスの言及
【銅】より
…黄銅鉱(硫化鉱)からは直接銅がとれず,まず硫化銅と硫化鉄の混合物であるかわを得,それをあらためて溶錬して銅にする2段の工程を経る必要があるが,青銅器時代末期には,酸化鉱が減少し,硫化鉱の処理の段階に入っていたものと考えられる。 ローマ時代には,銅と異極鉱(含水ケイ酸亜鉛鉱でカラミンcalamineともいう)の粉末を木炭とるつぼに密封して加熱し黄銅(シンチュウ,カラミンブラス)を得る方法が開発された。ヨーロッパには金の産出がほとんどなかったので,黄金色を呈したカラミンブラスは,金に代わる高価な金属としての取扱いを受け,前30年ころから後137年にかけ,アウグストゥス,ティベリウス,ネロらによって黄銅貨幣として流通させられている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」