世界大百科事典(旧版)内のカルヤの言及
【バラド】より
…〈聖なるバラド〉といえばメッカのことであるし,エジプトやイラクのむらもまたバラドと呼ばれた。もっとも,むらとしてのバラドは,自然村(カルヤqarya)に対して,行政村の意味に用いられることが多く,この場合には,中央政府により租税徴収の単位として把握された。またバラドの複数形を用いてビラード・アルイスラームbilād al‐islāmといえば,ムスリムの主権が及ぶ範囲の地域をさすが,これは十字軍やモンゴル軍などの外国勢力に対して一地方を自らの〈国〉(バラド)として意識することに通じるものであったといえる。…
【村】より
…かつてイラン社会で大きな権限を振るったディフカーンが,11世紀ころまでには,農民一般を指す言葉として用いられるようになったことが,この間の変化をよく物語っている。 イスラム時代の中東では,アラブのむらを一般にカルヤqaryaといい,イランのディーフdīh,トルコのキョイköyがこれに相当する。しかしアラブ社会の場合には,政府が租税徴収の単位として把握するむらはバラドと呼ばれるのが普通であり,これは一つのカルヤからなることもあれば,二つの小村からなっていることもあった。…
※「カルヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」